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JMUジャーナル NO.228(2011年1月1日号)より

祝 チルコロ・マンドリニスティコ・フローラ創立45周年記念演奏会

         〜〜〜仙台と大阪を結んだ夢の共演〜〜〜

                                                   葛原睦子

 私は、3年程前より、高橋五郎先生と親交を持つようになりました。

それは、高橋先生のマンドリン音学論や演奏活動に実に共感するところが多く、その喜びはとても大きなもので、長年探し求めていたイタリアのマンドリンに出会ったかのようでした。

私の演奏と高橋先生の師匠である田中常彦先生の演奏の解釈の違いについて語って下さった貴重なお話。イタリアの師匠でおられるニーノ・カターニア氏の残された演奏を聞かせていただいた時の感動。そして、それらを継承しておられる高橋先生。念願かなって、昨年大阪で開催したアンサンブル フィオーレの定期演奏会に客演指揮として先生をお迎えすることができました。

今回は、そのご緑から、チルコロ フローラの45周年記念演奏会に共演のご招待をいただきました。 高橋先生に大阪までお精古にお越しいただいたり、 コンサートミストレスの私が仙台の練習におじゃましたり、双方で連絡を取り合いながら練習を進めてまいりました。

10月9日、フィオーレのメンバーは仙台入り。午後l時からの練習に臨みました。はたして、 うまく合同演奏をすることができるのでしょうか・・・。連絡を密にして来たというものの、二つの合奏団が共に演奏するのはこの日が初めて。まずは東北弁と関西弁の共演に始まりました。 しかし、不思議なことに、最初の1曲を演奏すると、不安な気持ちは吹っ飛んでしまいました。誰もが自然体で演奏に溶け込んでいました。何の違和感もなく、まるで、ずっと以前から一緒に演奏していたかの如くでした。音の出し方、音色、奏法、大きく違うものはなく、私たちが大好きなイタリアのきらめくマンドリンの音でした。

9日の夜は、テノールのアンドレア・コロネッラさんを迎えてのリハーサルでした。総勢60名が高橋先生の指揮でカンツォーネを演奏しはじめると、奏者たちの顔がほころび、明るく生き生きした演奏になります。そして、アンドレアさんが歌いはじめるともうこれ以上楽しいことはないといった演奏になりました。

10月10日、演奏会当日の朝、奏者たちは、前日の練習並びに歓迎会ですっかり打ち解け爽やかな笑顔で集合しました。演奏会の大成功間違いなしという勘がありました。
午後l時開演。チルコロ フローラの美しい洗練された演奏にはじまりました。続いて、フィオーレの演奏。思いっきり熱く演奏したいという気持ちが一つになりました。仙台に流れたフィオーレの響きはとても感激でした。

いよいよ合同ステージ。 この日のこの演奏のためにみんな練習してきました。60名が高橋先生の指揮一点に集中します。 「ウクライナの思い出」「スラブ舞曲第6番」「C.P.O.ラプソディ」、みんなの心が一 つになった素晴らしい演奏でした。

そして、クライマックスは、アンドレアさんの登場で満席の会場は
割れんばかりの拍手。演奏時間3時間に及んだ演奏会でしたが、奏者の誰もが、楽しくて楽しくて時の過ぎるのを忘れて夢中で演奏したように思います。 この感動は、生涯忘れることがないものです。
大きな心で私たちを迎えてくださった偉大なるマエストロ高橋五郎氏。心温まるおもてなしで歓迎してくださったチルコロ フローラのみなさん。厚く厚く感謝いたします。
ありがとうございました。

今後の益々のご発展をお析りいたします。









                                      (くずはらむつこ:アンサンブル フィオーレディ オオサカ)
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 日本マンドリン連盟会報〔JMUジャーナル〕No.228(2011年1月1日発行)の記事を転載させていただきました。
 写真は当サイト管理人が撮影したものへ差し替えております。
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